『Poison』(プワゾン)は、宝野アリカと片倉三起也による日本の音楽ユニット・ALI PROJECTの通算11枚目のオリジナルアルバム。2009年8月26日に徳間ジャパンコミュニケーションズから発売された。なお当項目では、ALI PROJECTの2009年におけるライブツアー『Poison 〜毒を食らわば皿まで〜』についても扱う。
概要
オリジナルアルバムとしては『禁書』から約1年ぶりの発売。『禁書』『Psychedelic Insanity』『Dilettante』と同様に10曲収録され、最終トラックがインストゥルメンタルとなる。浪漫主義的白アリから目眩しく疾走感の黒アリまで、枠に嵌らない様々な音楽形態、独特のヴィジュ アルパフォーマンスで、聴く者観る者を異世界へと引きずり込む。アルバム・コンセプトは危険で妖艶、美しくロマンティックな音楽毒。
キャッチコピー
さあ 言葉に毒を盛ろう ひとおもいに その世界を殺してあげる 君の代わりに
収録曲
- Poisoner [4:39]
- ポイズナーと読み、「毒殺者」などの意味がある。フランス語などに良い言葉がなかったので英語を用いた。
- 処女懐胎、あるいは白骨塔より少女達は飛翔する [4:53]
- エレクトリックギターに「純文学的」歌詞を重ねる。
- イントロ、間奏にカロル・シマノフスキの『弦楽四重奏曲第1番 第3楽章』が引用されている。また、同作曲家の『弦楽四重奏曲第2番 第2楽章』もイントロに引用されている。
- アウトロにバーナード・ハーマンの『弦楽四重奏のための「エコー」』が引用されている。
- イントロ、AメロにSAMPLE MAGICのサンプル音源『BREAKBUSTERS』より「breaks_bassloop_135_boldbass_A」が利用されている。その他、Aメロに「breaks_scratch_125_sexyvoxstab」「breaks_synthloop_135_elvospritelee」が、サビ前に「breaks_drloop_130_noisychops」が利用されている。
- イントロにヴィトルト・ルトスワフスキの『交響曲第1番 第4楽章』が引用されている。
- 間奏にジェファーソン・フリードマンの『弦楽四重奏曲第2番』より第1楽章、第2楽章が引用されている。また、サビに第2楽章が引用されている。
- 間奏に間奏にジョン・コリリアーノの『黒い11月の七面鳥』が引用されている。
- ジェファーソン・フリードマン、ジョン・コリリアーノの引用楽曲はすべて「コリリアーノ:弦楽四重奏曲第1番、第2番/ブラック・ノーヴェンバー・ターキー(コリリアーノ四重奏団)」というアルバムに収録されている。
- お毒見LADY [4:53]
- 「テクノポップ」風の楽曲。
- イントロ、2番~3番の間奏にBIG FISH AUDIOのサンプル音源『SYMPHONIC MANOEUVRES』より「One Chance」が利用されている。
- 阿芙蓉寝台 [4:28]
- 「あへんしんだい」と読む。宝野曰く「スプラッター」の歌詞らしい。
- 極色一代女 [4:35]
- いわゆるスカビートである。ALI PROJECTの楽曲には珍しく、生のジャズバンドが演奏している。
- EGO-WRAPPIN'の『くちばしにチェリー』との類似が指摘されている。
- Animals on the Earth [4:48]
- 片倉は「大和ソング」路線で作曲したという。もしも大和ソングならばM1にする予定だったとのこと。
- サビにロベルト・シューマンの『ダヴィッド同盟舞曲集 第11曲 Senplice ニ長調 E』が引用されている。
- 上海繚乱ロマンチカ [4:38]
- 『Poison』で最初に完成した楽曲。「毒と美」をテーマに中国風に仕上げている。
- Aメロ、Cメロにラルフ・エヴァンズの『弦楽四重奏曲第1番 第1楽章』が引用されている。
- サビにジョージ・アンタイルの『弦楽四重奏曲第3番 第1楽章』『弦楽四重奏曲第3番 第3楽章』が引用されている。
- イントロ、1番~2番の間奏にフィリップ・グラスの『弦楽四重奏曲第2番 カンパニー 第3楽章』が引用されている。また、2番~3番の間奏に同楽曲より第4楽章が引用されている。
- 上記引用楽曲はすべて「4つのアメリカの弦楽四重奏曲」というアルバムに収録されている。
- イントロにジェファーソン・フリードマンの『弦楽四重奏曲 第2番』より第1楽章が引用されている。
- イントロにジョン・コリリアーノの『弦楽四重奏曲 第1番』より第4楽章が引用されている。
- 処女懐胎、あるいは白骨塔より少女達は飛翔する同様、ジェファーソン・フリードマン、ジョン・コリリアーノの引用楽曲はすべて「コリリアーノ:弦楽四重奏曲第1番、第2番/ブラック・ノーヴェンバー・ターキー(コリリアーノ四重奏団)」というアルバムに収録されている。
- 世紀末ゲネシス [4:46]
- 宝野の「合唱の入った曲を」との要望により作曲。
- AメロにBIG FISH AUDIOのサンプル音源『HIP HOP EXOTICA 2』より「02」「32」が利用されている。
- この國の向こうに [4:58]
- ストリングスを駆使したバラード曲。
- discipline [instrumental] [3:45]
- 『この國の向こうに』のインストゥルメンタル。チェンバロは生音である。
参加ミュージシャン
- 作詞:宝野アリカ
- 作曲:片倉三起也
- 編曲:片倉三起也(M1,M2,M3,M4,M6,M7,M8)、平野義久(M9,M10)、斉藤聡(M5)
- ストリングスアレンジ:渡辺剛(M1,M3,M4,M6)
- コーラスアレンジ:平野義久(M4,M8)
- Strings:渡辺剛ストリングス[M3, M4, M5, M6]、RUSH by 加藤高志[M9, M10]
- Cembalo:Masako Hosoda(細田真子)[M10(instrumental)]
- Chorus:Tokyo Philharmonic Chorus[M3, M8]
- Drum:Soul Toul(そうる透)[M7]
- Wood Bass:Shigeru Matsumoto(松本茂)[M7]
- Guitar:Hiroki Ito(伊藤浩紀)[M7]
- Trumpet:Eric Miyashiro[M7]
- Trombone:Eijiro Nakagawa(中川英二郎)[M7]
- T.Sax:Akio Miyazaki(宮崎明生)[M7]
- B.Sax:Robert Zung[M7]
- Flute:Masami Nakagawa(中川昌三)[M7]
クレジット
ライブツアー
ALI PROJECTの2009年のツアー『Poison 〜毒を食らわば皿まで〜』は、2009年9月下旬から10月上旬にかけて日本国内の4か所で開催された。2008年の「禁書発禁」ツアーと同様に、パンフレットには『Poison』の解説が掲載されている。
リストは日時、地名、会場の順。
- 2009年9月23日 - なんばHatch
- 2009年9月24日 - Zepp Nagoya
- 2009年9月29日 - Zepp Fukuoka
- 2009年10月4日 - パシフィコ横浜
ツアーには渡辺剛、杉野裕(ヴァイオリン)、Olive、INGA、Cyantama、Ringo(ダンサー)が参加した。
脚注
参考文献
- ALI PROJECT、BACKSTAGE PROJECT、勇侠会・編『ALI PROJECT TOUR 2009 Poison 〜毒を食らわば皿まで〜』 2009年。
- 現地販売のパンフレット。「勇侠会」はALI PROJECTのオフィシャルファンクラブ。
外部リンク
- 徳間ジャパンコミュニケーションズによる紹介ページ




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